Introduction アロマテラピーの源流 -(2)-
アロマテラピーの概念が確立したのは1920年代です。花の生産地として有名なフランスのグラースで、フランス人化学者ガットフォセが実験中に火傷を負い、側にあったラベンダー精油をかけたところ、みるみるうちに腫れがひき、予想以上に早く回復したという有名なエピソードがあります。これを契機として、彼は精油のもつ治癒力の研究に打ち込みました。1928年、精油とその含有成分を有効に利用する治療法を「アロマテラピー」として論文発表をしました。アロマテラピーという用語は芳香治療という意味で、ガットフォセが造語したものです。
伝承医学として発展してきたアロマテラピーですが、最近の目覚しい研究によって、精油の香り成分の様々な薬理作用が科学的に証明されつつあります。
地球上で暮らす全ての動物は植物の恩恵に与っています。植物を食すことは勿論ですが、植物は、直接的または間接的に健康管理に使用されてきました。ハーブ(薬草=暮らしに役立つ植物の総称)をいぶして病人を燻蒸する方法は記録に残された最初の薬草療法です。
日本人も、古くからシソ、ショウガ、ニラ、セリ、ミツバなどを食し、また柚子湯や菖蒲湯などに代表される季節の香りに親しんできました。
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚は五感と呼ばれ、生きていくための情報を収集するのに使われています。文明が進化するにつれ、視覚と聴覚から情報を得る割合が増えて、嗅覚を意識することが少なくなる傾向にありますが、匂いが生活の中で必要不可欠である事実は昔も今も変わりません。体のバランスを保つためには、嗅覚を鍛えなくてはいけません。五感がバランスよく使われてこそ、肉体と精神の調和がとれて、健康な生活が送れるのです。
|