1-3.植物と人との共存
地球は太陽のまわりを廻る惑星のひとつです。
太陽から光のエネルギーを受け、自らも光を少し反射しています。地球と太陽の距離は、地球に温和な環境を創造し、その環境が生物を作り出すのに欠かせないのです。
地球は大気という薄いフィルムに包まれています。大気は太陽からの有害な光を吸収し、光のエネルギーを内部に取り入れ温室効果をもたらし、地表の平均温度を0〜50℃(現在の地球の平均表面温度は約15℃)に保っています。大気がなければ、地表温度は-20℃の氷の世界となってしまうのです。約30億年余といわれている地球上の生物進化の歴史で、つぎつぎに登場した生物は自然との調和を保ってきました。生物の活動や増殖の結果、引起こされる環境変化は全体的なバランスの中で調整されてきました。
ラブロック博士(英国オックスフォード大学グリーン・カレッジ名誉客員教授)は、地球表面全体とそれを取り巻く大気圏までをひとつの壮大な有機体ととらえ、地球の気候と化学組成の自己制御をシステムが創造する特性、つまり予想できない進化を指すものとであるという、ガイア仮説を提唱しました。生物学者などから多くの反論を引起こしたものの、地球環境の観点からからは極めて興味深いものがあり、人々の地球環境への関心を高めました。

地球のマイルドな環境は、植物による光合成により守られてきました。光合成により、大気中の二酸化炭素は消費され、酸素を21%という一定の値に維持されています。石炭、石油、天然ガスなどは地球の歴史の初期に生きていた植物細胞が光合成によって作り上げたものです。
動物が生命を維持していくためには、エネルギー源としての食物が必要です。食物はすべて、植物が太陽のエネルギーを取り込んだものです。米や野菜だけでなく、魚、肉、乳製品の動物食品も植物を食べて生育したものです。動物は、生命維持のために大量の酸素を必要としますが、光合成の能力は基本的にはありません。呼吸活動は大量の二酸化炭素を排出します。地球の豊かな酸素は、植物が作り出したものであり、現在もなお私たちの排出する二酸化炭素を酸素に変換しつづけています。
今日、地球の大気バランスは、二酸化炭素、メタン、二酸化イオウ、フロンなど工業生活の産物によって破壊されつつあります。酸性雨による大規模な環境問題に直面したヨーロッパでは早期に認識されていた地球環境が、1988年のサミットで取り上げられました。翌年、「地球環境」が日本のマスコミで大きく取り上げ、一般市民の関心を高めました。地球上の生命がいかに植物に依存しているのか、植物との共存の必要性について認識がされはじめました。
アロマテラピーを学習するにあたり、植物と人との共存について考えてみましょう。地球上の全ての生き物は植物による恩恵に与っています。生命は植物に頼っているといっても過言ではありません。植物が作るさまざまな栄養素(糖質、たんぱく質、脂質、ビタミンなど)と同様に、植物の薬効成分を凝縮した精油が、私たちの心身に大きな影響を与えることが理解していただけると思います。植物との共存によって、健康でいきいきとした暮らしを送ってください。
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