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今月のアロマ
 4月アロマで春の眠気に負けない 〜ローズマリー〜
    

麗らかな日差しが気持ちの良い季節になりました。季節の変わり目は体調を崩しやすいといわれていますが、特に春先は自律神経がアンバランスになりやすいので要注意です。寒い季節は体温の放出を防ぐために体の血管が収縮していましたが、温かくなるにつれて体内の熱を放出するために血管が広がってきます。でも、この季節は毎日の気温の変動が激しいため、自律神経のコントロールが上手く働かず、眠気やだるさを引き起こします。
「今月のアロマテラピー」は寝起きが悪い、眠い、集中力が無い、やる気がでないなどの春の症状に、ぴったりのローズマリーを紹介しましょう。

ローズマリーは、原産が地中海沿岸地方のシソ科の常緑低潅木です。ローズマリーは、ラテン語の「海のしずく」を意味するros marinusに由来しています。ローズマリーは立性と匍匐性のものがありますが、海岸線に沿って密生している匍匐性のローズマリーの枝は、岩場の高い位置から次第に下へと地面の起伏に合わせて這うように広がっていきます。ローズマリーの青い花が朝霧に濡れて、遠くから見ると、雫が滴っているように見えることから、「海のしずく」と名づけられたそうです。日本に渡来したのは、江戸時代末期(文政年間)。和名は「まんねんろう」。万年みどり・万年草・万年香・万年郎(永遠の青年)という意味です。とても育てやすいハーブで、スパイス、ハーブオイル、入浴剤、化粧品、ポプリ等、生活のあらゆるシーンで大活躍する優れものです。

ローズマリーは遠くからは匂いませんが、濃緑色の細い葉に触れるとそのくっきりとしたハーブ調の香りは、指先に移り、肌にしみこんでしばらくは消えません。このようにローズマリーの香りが長く持続することから、ヨーロッパでは神聖なハーブとして、結婚式では永遠の愛を誓うために花嫁が被る冠に使われ、また葬儀では故人を偲んで棺に供しました。強いハーブの香りに魔除けの力があると信じられて、悪霊を払う薫香に使われ、教会の庭に植えられました。
ローズマリーは若返りのハーブとして有名です。14世紀、ハンガリー女王 エリザベート1世は、70歳を過ぎて持病(痛風または慢性関節リウマチといわれている)に苦しんでいましたが、献上されたチンキ(ハーブをアルコールに浸けて薬用成分を抽出したもの)を入浴剤や化粧水として使用したところ痛みが無くなり、健康を回復しました。さらに肌が若返り、若かりし頃の美貌を取り戻し、隣国の20代のポーランド王子から求婚されたと伝えられています。このチンキはハンガリアンウォーターと呼ばれ、ローズマリー、ペパーミント、ローズ、レモン、ラベンダーなどをアルコールで成分を抽出したものです。以来、ハンガリアンウォーターは「若返りの水」といわれ、現在の化粧水の原型、またアルコールを用いた最古の香水といわれています。

精油は花の咲いた先端部分を水蒸気蒸溜法で採油します。主成分は、ボルネオール、クミンアルデヒド、カンファー、シネオールなど。主な作用は強肝作用、殺菌消毒作用、消化促進作用、鎮痙作用、強壮作用、刺激促進作用(心臓)、神経鎮静作用、血圧上昇作用、収斂作用、頭脳明晰化作用、利尿作用など。

アロマテラピーでは、精神的な刺激剤として、無気力や疲労を改善し、記憶力と集中力を高め、覚醒させ、活力を与えるといわれています。肌に対しては、収斂作用、張りを与え、毛髪の成長を促し、頭皮を健康に保ち、肌を引締めることから化粧品や頭髪剤に多用されています。体に対しては、筋骨格系では筋肉痛、関節炎、痛風の痛みを緩和し、筋肉に弾力性を与えるといわれています。循環器系は、心臓と循環器を刺激して、血行を促進し手足の冷え、低血圧の改善、月経前症候群の緩和、浮腫、セリュライトに効果的であるといわれています。消化器系は、肝臓に対する強壮作用、二日酔い、吐き気などの改善に効果的といわれています。

ホームケアでは室内芳香浴や沐浴(アロマバス)で手軽にアロマテラピー効果を実感していただけます。芳香浴は電気式のアロマポットの受け皿に水を張って、その中に精油を滴下(部屋の広さに応じて2〜4滴)します。ローズマリーは眠気を吹き飛ばし、記憶力と集中力を高めてくれるので、仕事や勉強の強い味方です。ティッシュに1〜2滴しみこませて、デスクの上に置くだけでも効果を発揮します。沐浴はバスタブに最大5滴、洗面器やフットバスの足浴は2〜3滴、洗面器の手浴や吸入は2滴を目安に行ってください。

以下に症状別のレシピをご紹介します。沐浴用の滴数を表示していますので、洗面器やフットバスには半分の量を目安にしてください。

眠気、疲労や無気力の改善 ローズマリー(2滴)+ペパーミント(2滴)
肩こり、筋肉痛、リュウマチ ローズマリー(2滴)+ペパーミント(2滴)
ダイエット グレープフルーツ(2滴)
リフレッシュ ベルガモット(2滴)

お湯の温度は38〜40℃、精油は入浴の直前にバスタブに滴下し、よくかき混ぜてください。精油の香りを含んだ蒸気をゆっくりと吸い込みながら、15分間、半身浴を楽しんでください。肩が冷えないようにタオルを掛けると良いでしょう。呼吸は鼻からゆったりと吸って、口から細く長く吐くようにすると、副交感神経が優位になり、リラックス効果が高まります。血液循環が促され、身体の中に溜まっている老廃物の除去に役立ちます。お風呂からあがったらミネラルウォーターやハーブティーで水分補給をしましょう。

使用上の注意: てんかん、高血圧、妊娠中の方はローズマリー精油の使用を避けてください。


◆バックナンバー
2006年9月 秋色の「森林セラピー®」いいやま北竜温泉 モニターツアー「アロマテラピーと玄米菜食で身体の中からきれいになる旅」のご案内
2006年2月 自然香水 − 心と体で感じる新しいアロマテラピー
2006年1月 新年を飾る和の香り 〜 松 〜
2005年12月 聖夜を彩るアロマ 〜乳香(フランキンセンス)〜
2005年11月 アロマで身体の冬支度 〜ジュニパーベリー〜
2005年10月 アロマで生活のリズムを整える 〜ゼラニウム〜
2005年8月 アロマで森林浴 〜サイプレス〜
2005年7月 涼を呼ぶアロマ 〜レモングラス〜
2005年6月 アロマで梅雨を快適に暮らす 〜ペパーミント〜
2005年5月 アロマでストレスを洗い流す 〜ラベンダー〜
2005年4月 アロマで春の眠気に負けない 〜ローズマリー〜
2005年3月 アロマで花粉症対策 〜ティトリー〜
2005年2月 アロマで風邪予防 〜ユーカリ〜
2005年1月 冬のスキンケア 〜バラの香りで美しくなる〜
英国庭園博物館ノットガーデンのローズマリー
17世紀末、ナポレオンは、ドイツのケルンで発売された「オーアドミラブル=すばらしい水」をフランスに持ち帰りました。フランスでは「ケルンの水」として大ヒットし、1742年にはフランス語の「オーデコロン」という登録商標となりました。当時は「ケルンの水」は香を楽しむためのものではなく、胃薬や気付け薬として使用されていたそうです。
ナポレオンは、アルプス越えの際、疲れた兵士の志気を高めるためにオーデコロンを多用したといわれています。彼はローズマリーの精神を集中させる作用に注目して、一日に数本ものローズマリーのオーデコロンを愛用していました。背丈165cm、てんかん症に悩まされながらも人並みはずれたスタミナと桁外れの記憶力を持ち、カリスマ的指導力を存分に発揮し、わずか数週間にしてフランスを掌握したナポレオンは、兵術を考える力をローズマリーのパワーに求めていたのかも知れません。